パナマ運河方式で行こう

まだまだ非日常的なカウンセリング

先日、ある男性が夫婦関係の相談でお見えになりました。次回は奥さまを連れて来てはと提案すると、今日も一緒に来たかったけど断られたとのことでした。

「病気ちゃうのに、なんでカウンセリングに行かなあかんの!?」

よくある話です。

ご主人には留学経験があり、カウンセリングが日常生活に溶け込んでいる場面を体験されていました。

海外ドラマをよく見る方には、カウンセリングにポジティブな印象を持つ方が多いように感じます。カウンセリングが日常の場面に登場することがしばしばあるからです。また、そのような方は心理療法(治療的)ではなく、カウンセリング(気づきや成長支援)を期待して来られるケースが多いという印象があります。

そのような方のセッションで傾聴に徹すると「私が求めていたものでした」という反応が多いようです。 最初に「聴くだけのカウンセリングは求めていません」とおっしゃる方もいらっしゃいます。

カウンセラーを選ぶ基準

クライエントにとって、どの心理カウンセラーを選べかいいのかは大きな問題です。

日本には心理カウンセラーの国家資格がありません。極端な話、名乗りさえすれば、誰もが今日から心理カウンセラーになれます。

クライエントにとって喜ばしい状態ではありません。というより、不安な状況です。危険と表現する人もいるでしょう。いずれ国家資格が創設されるでしょう。

クライエントにとっては、臨床心理士が有力な選択基準の一つです。誰を選んでも一定の質が担保されるという安心感があるでしょう。そのことに異論はありません。

私は臨床心理士ではありませんので、他に選んでいただく理由を示さなければなりません。

引き下げの法則

自尊心が傷ついたとき、人は傷ついた感情から回復するために何らかの行動をとります。

例えば、勉強が不得意な子がスポーツでがんばる。または、その逆。例えば、上司や先輩社員に理不尽な扱いを受けた怒りのパワーを仕事に向けて結果を出す。

「補償」や「昇華」と言われる心の働きです。これらは健全な心の働きと言えますが、人は健全ではない行動をとることもあります。

例えば、他者を貶める言動です。「引き下げの法則」なんて言葉があります。

臨床心理士は信頼性の高い資格として認識されています。そのためか、臨床心理士ではないカウンセラーによる、臨床心理士を貶める発言を聞くことがあります。逆もあります。

どちらも「引き下げの法則」です。他者を下げることによって相対的に自分を上に置き、心の安定を得ようとしています。

パナマ運河

唐突にパナマ運河です。

パナマ運河は、海抜26メートルのガトゥン湖を経由して、太平洋とカリブ海を行き来する運河です。閘門式という仕組みが用いられています。閘門式とは、ガトゥン湖までの水路をいくつかの部屋に区切って、部屋の水位を変えることによって船を上下させます。

パナマ運河
パナマ運河 – Wikipedia閘門 – Wikipedia

船を引っ張り上げるのは困難でも、水位を上げれば船も勝手に上がります。考えたものです。

全体が引き上げられれば自分も引き上げられる、と思う

最初に紹介した通り、日本ではカウンセリングは一般的ではありません。まだまだ誤解があるのが現状です。

足の引っ張り合いをしている場合じゃないと思うのです。

運河の水位が上がれば船も上がるように、カウンセリングの正しい認識が広がれば、個々のカウンセラーが活躍できる舞台も広がると思うのです。

私はパナマ運河方式で行きます。

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